「訪朝合意だけで成功だ」 人道支援NGO「レインボーブリッヂ」小坂浩彰・事務局長
約2年前から、私は風力発電設備の設置準備などエネルギー支援を通じて、北朝鮮との交流
がある。その立場から見ると、今回の小泉首相の訪朝は、すでに成功したといえる。なぜなら、
北朝鮮が首脳会談に応じるというのは、国交正常化交渉に入る準備を整えたということにほか
ならないからだ。しかも、北朝鮮は重要な決断をしていると思う。
その意味で、小泉首相と金正日総書記の首脳会談は、たとえば1分間でも構わない。「会談
自体が成果」だからだ。
日本では、拉致問題や不審船問題が、声高に論じられている。これらの諸問題は、日朝の不
正常な関係のなかで起こったことだ。国交が正常化すれば自然に解決する。日本側がこの問題
をあまりに強調すると「木を見て森を見ず」、逆効果になる危険性さえある。
首脳会談では「拉致、不審船問題を解決することを両国間で確認する」、この結論になるの
ではないか。このうち拉致問題は「被害者の安否を確認し、後日、日本政府に連絡する」とい
うところに落ち着くだろう。会談をきっかけに、北朝鮮が「近くて近い国」になればいいと思
う。(談)
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